経営計画書は、地図のようなものです。会社やそこで働く従業員が、道に迷わないための「地図」です。地図には会社の将来の目標というゴールが書いてあり、そこに向かうための最短ルートが書かれています。
経営者だけでなく、全社員が同じ地図を共有することで、全員が一丸となって同じゴールに向かって、迷うことなく道を進むことができるようになります。
この地図はあなたの会社が将来、遭遇するだろう問題やリスクについても事前に分析、シミュレーションを行いその対策まで行っているのです。
つまり、道に迷わないだけでなく、道の途中で遭遇するであろう「落とし穴」や「障害物」も乗り越えられるように計算された最強の地図だということになります。
これがあるからこそ、将来的にどんな緊急事態に遭遇したとしても「ゆとりをもった経営」が可能になるのです。
可能なコスト削減案、人件費抑制のための人員配置、資金不足や従業員のモチベーション低下まで、これまで山積みだった経営課題もこの経営計画書をつくることによって、課題が浮き彫りにされます。
経営計画をたてる時点では、すべての解決案を練る必要はありません。課題を解決すれば、会社はこういう状態になれるということを視覚化することに意味があります。
「今は資金繰りで頭が一杯だ!」
「今日も一日バタバタして終わってしまった・・・」
「技術者だからモノを作るのは大好きだが・・・会計の話しは苦手だ!」
・・・と、日々の業務に追われて自社の将来を考える暇がないのも事実でしょう。
経営計画など面倒臭い作業など、できればやりたくないものです。
でも、ちょっと待ってください!
少し想像していただきたいのですが、今あなたの手元にバケツがあるとします。
あなたは、目の前にある「小さな石や、砂」それにいくつかの「大きな石」をバケツの中にいれなければいけません。もし、あなたがバケツに小さな石か砂を先に入れてしまうと、すぐに半分ぐらい埋まってしまいます。
そうすると、大きな石を入れるとバケツからはみ出してしまいます。より多くの大きな石をバケツに入れるには、先に大きな石を入れてその後に石の隙間に小さな石と砂を入れるようにすると良いことに気がつきます。
ここで言う、小さな石や砂は、毎日やらなければいけない日常業務や雑務です。大きな石こそが、「経営計画」の策定なのです。5年先の自社の目標を達成するために「一体今、何が最優先課題なのか?」を月に1回でも時間をとって、見つめ直す必要があると思いませんか?